塩害?とはてなマークが浮かんだ方もいるでしょうか。
震災時は、海の水が陸地まで到達してしまったことにより土壌の塩害被害が多かったですね。農作物に影響が出てしまいました。
しかし、エアコンに塩害被害とは…なかなかイメージしにくいかもしれません。
潮風が吹き付けたりすることで、室外機が塩分を含んだ潮風にさらされ、何らかの障害がでて最悪は故障してしまうことがあるのです。
錆びてしまうぐらいかな??と思いますが、意外にもその被害は大きなもので、具体的な塩害の影響は下記のとおりです。
① 本体やフィンの腐食
② 絶縁部への導電
③ 漏電による故障
エアコンの寿命は、平均的に10年くらいですが、塩害がひどい地域では3年で寿命を迎えてしまう場合もあるそうです。
特に海から2㎞圏内は注意しましょう。
エアコン本体の腐食やフィンの腐食が進むと、電気代が増加します。「熱交換器」という部分が腐食すると伝熱性能が低下してしまうためです。
また、放置してしまうと、重大な故障のリスクの増加につながります。
電気代が増加するということは、エアコンに大きな負荷が加わっているということですので、過酷な環境下での運転を続けているせいで、異常停止してしまうなどの問題が起きる可能性があります。
さらには、配管まで腐食が進んでしまうと、冷媒ガスが抜けてしまい、人間でいう血液が抜けてしまう状態となりますので、故障寸前の状況になってしまいます。
腐食がすすんでしまうと、修理代金も高額になってしまいますので注意しましょう。
このような事態を防ぐためにも、海辺にエアコンを設置する際は、「塩害対策」をしっかり考えておく必要があります。
では、耐塩害業務用エアコンは、通常の業務用エアコンと何が違うのか見ていきたいと思います。
基本的には、内外装・パーツ・基盤に耐食加工を施したものになります。
耐塩害専用のエアコンとして、つくられているわけではなく、既成の室外機を分解し耐食加工を施しているので、多くのエアコンで耐塩害対応が可能となりますよ。
また、耐塩害には、海からの距離によって、2種類の仕様があります。
・『耐塩害仕様』
-室外ユニットの設置場所から海までの距離が約300mを超え1㎞以内の場所
-室外ユニットが建物の影になる場所
-室外ユニットが雨で洗われる場所
・『耐重塩害仕様』
-室外ユニットの設置場所から海までの距離が約300m以内の場所
-室外ユニットが建物の表(海側)になる場所
-室外ユニット設置場所のトタン屋、ベランダの鉄製部の塗り替えが多い場所
-室外ユニットに雨があまりかからない場所
このように、程度により使いわけがありますが、100%耐食を防ぐものではありませんので、海岸地域にエアコンを設置された場合は、定期的に水洗いをして塩分を洗い流すといいですね。
海から遠いところにいる方にとっては、「塩害??!」と驚くような内容だったかもしれませんが、海辺って意外と塩分多いのですよ~。
風が強い日は、海岸沿いを歩くだけで、髪の毛が潮風に含まれる塩分でべたべたになってしまったり、海岸公園の手すりなど、遊具が錆びやすかったり…。
エアコンもお住まいの地域に合わせて、様々な「仕様」がありますが、しっかり「耐塩害」仕様もありますので、海の近くに居住する、もしくは転勤になった際は、気にしてみてくださいね。