皆様こんにちは!エアコンの設置工事等を手掛けている業務用エアコン.comです。
企業のエネルギー消費において、空調設備が占める割合は非常に大きいことをご存知でしょうか?特にオフィスビルや商業施設、工場などでは、空調は快適な環境維持や生産活動に不可欠であり、その稼働には膨大なエネルギーが必要です。
これまで、空調の省エネ対策というと、「設定温度を調整する」「不使用時はこまめに消す」といった運用面の工夫が中心でした。もちろんこれらも重要ですが、さらなる大幅なエネルギー削減や、真に効率的で快適な空調環境を実現するためには、一歩進んだ戦略が必要です。
その第一歩となるのが、「空調設備のエネルギー使用量の見える化」です。
なぜ「見える化」が必要なのか?
私たちは、自分が「いつ」「どこで」「どれくらいのエネルギーを使っているか」を正確に把握できていないことがほとんどです。空調設備も例外ではありません。
例えば、
- 一日の中で、どの時間帯に最も電力を消費しているのか?
- 建物の中で、特にエネルギー効率の悪いエリアや機器はどこか?
- 外気温や室内の人数変化に対して、空調は適切に稼働しているか?
- 本当に必要な時だけ運転できているか?
これらの問いに感覚で答えることはできても、具体的な数値に基づいた根拠を示すのは難しいでしょう。
「見える化」とは、まさにこの「分からない」を解消する手段です。エネルギー使用量をデータとして取得し、グラフや表などで分かりやすく表示することで、エネルギーの流れや無駄遣いが発生している箇所が明確になります。
つまり、「見える化」は、闇雲に省エネ策を講じるのではなく、データという客観的な根拠に基づいて、最も効果的な対策を立案・実行するための羅針盤となるのです。
空調設備のエネルギーを「見える化」する方法
では、具体的にどのようにして空調設備のエネルギーを「見える化」するのでしょうか。いくつかの方法があります。
1️⃣スマートメーターの活用
すでに設置されている場合が多いスマートメーターは、30分ごとの電力使用量を計測できます。建物全体の電力使用傾向は把握できますが、空調だけ、あるいは個別の空調機の使用量を特定するには、さらに詳細な計測が必要です。
2️⃣サブメーター(簡易計測器)の設置
主要な空調機や、フロア・ゾーンごとの空調系統に個別に電力メーターや電流センサーを設置する方法です。これにより、より詳細な単位でのエネルギー使用量を把握できます。導入コストを抑えつつ、効果測定したい箇所に絞って設置することが可能です。
3️⃣BEMS/FEMS(ビル・工場エネルギー管理システム)の導入
これは「見える化」の最も包括的で効果的な方法です。建物全体の空調、照明、換気などの設備をネットワークで繋ぎ、エネルギー使用量の計測・監視、データの蓄積・分析、さらには遠隔での設備制御までを可能にします。専門的なシステムですが、データに基づいた高度な最適化戦略を実行するためには非常に強力なツールとなります。
4️⃣BAS(ビルディングオートメーションシステム)/中央監視システムとの連携
すでにこれらのシステムが導入されている場合は、エネルギー計測機能が備わっているか確認し、連携することで「見える化」を実現できることがあります。設備の運転情報とエネルギー使用量を紐づけて管理できます。
5️⃣手動でのデータ収集
上記のようなシステム導入が難しい場合でも、簡易的な計測器を使用したり、設備の稼働時間などを記録したりすることで、ある程度の「見える化」は可能です。根気が必要ですが、意識向上にも繋がります。
これらの方法で取得したデータは、単に数値を並べるだけでなく、グラフ化したり、過去のデータや他のエリアのデータと比較したりすることで、より深い洞察を得ることができます。
データに基づいた「最適化戦略」の立案と実行
エネルギー使用量の「見える化」によって得られたデータは、まさに宝の山です。このデータを分析することで、自社の空調設備における無駄や改善点が浮き彫りになり、データに基づいた効果的な最適化戦略を立てることができます。
データ分析から考えられる最適化戦略の例:
✅ピークカット戦略
電力使用量のグラフからピークとなる時間帯を特定し、その時間帯に空調の設定温度を緩やかに調整したり、一部の空調機の稼働を抑制したりすることで、契約電力の超過を防ぎ、電気料金を削減します。デマンド監視制御システムが有効です。
✅運転スケジュールの最適化
曜日や時間帯ごとの在室状況や業務内容とエネルギー使用量を照らし合わせ、必要のない時間の空調運転を停止したり、立ち上げ・停止時間をよりタイトに管理したりします。祝日や特別日などのイレギュラーな対応もデータに基づいて設定可能です。
✅設定温度の適正化
室内の快適性を損なわない範囲で、エリアごと、時間帯ごとに最適な設定温度をデータに基づいて見直します。外気温データとの相関関係を分析することも有効です。
機器の運転モードや風量・風向の調整: データから特定のエリアで過剰な空調が行われていることが分かれば、そのエリアの機器の運転モードや風量・風向を調整し、エネルギー消費を抑制します。
✅設備のメンテナンス計画
設備の稼働データや異常値(消費電力が急増するなど)を監視することで、故障の予兆を捉えたり、メンテナンスの最適なタイミングを判断したりできます。設備の効率低下を防ぎ、寿命を延ばすことにも繋がります。
✅非効率な設備の特定と更新計画
他の設備に比べて明らかにエネルギー効率が悪い設備をデータから特定し、高効率な最新設備への更新を検討します。データは、更新投資に対する費用対効果を計算する上でも重要な根拠となります。
✅運用改善効果の検証
設定温度の見直しや運転時間の変更など、運用面での省エネ策を実施した際に、その前後でエネルギー使用量がどのように変化したかをデータで確認することで、対策の効果を定量的に評価し、さらなる改善に繋げることができます。
これらのデータに基づいた戦略を実行することで、感覚や経験だけでは気づけなかった無駄をなくし、より確実で大きな省エネ効果を実現することが可能になります。
データに基づいた最適化戦略のメリット
空調設備の「見える化」から始めるデータに基づいた最適化戦略には、単なるエネルギーコスト削減にとどまらない多くのメリットがあります。
🟧より大きなコスト削減
データに基づいた的確な対策は、感覚的な対策よりも大幅なエネルギー削減に繋がり、電気料金の削減効果が大きくなります。
🟧快適性の維持・向上
エネルギーを効率的に使用することで、必要な場所に必要なだけ空調を提供することが可能になり、過剰な冷暖房を防ぎ、快適性を維持・向上させることができます。
設備の長寿命化とメンテナンスコスト削減: 設備の稼働状況を監視し、最適な運転やメンテナンスを行うことで、設備の寿命を延ばし、突発的な故障による修理コストやダウンタイムを削減できます。
🟧環境負荷低減と企業イメージ向上
エネルギー使用量の削減は、温室効果ガスの排出量削減に直結します。これは地球温暖化対策への貢献となり、企業のSDGs達成への取り組みや環境意識の高さとして、企業イメージ向上に繋がります。
🟧BCP(事業継続計画)への貢献
エネルギー使用状況を把握・管理できるシステムは、非常時における最適な設備稼働計画の策定や、エネルギー供給制約時の対応にも役立ちます。
🟧法規制への対応
省エネ法など、エネルギー消費に関する法規制への対応や報告義務に対しても、データに基づいた管理体制は有効です。
まずは何から始めるべきか?
空調設備の「見える化」とデータに基づいた最適化戦略は、企業のエネルギー管理において非常に有効な手段です。しかし、「どこから手をつければいいか分からない」と感じる担当者様もいらっしゃるかもしれません。
まずはお気軽に、エネルギー管理や空調設備に詳しい専門業者に相談してみることをお勧めします。お客様の建物の規模や用途、現在の設備状況などを丁寧にヒアリングし、最適な「見える化」の方法や、データに基づいた省エネ提案を受けることができます。
例えば、私たちのような設備設置業者は、サブメーターの設置工事から、BEMS/FEMSの導入支援、さらには設備の診断や最適な空調機器への更新提案まで、ワンストップでサポートすることが可能です。
データに基づいたアプローチで、貴社の空調設備を賢く最適化し、快適性と省エネを両立させましょう。
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